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有賀泰治ブログ

8月の経営方針共有勉強会

8月のテーマ

《 行動 》

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・2013年8月1日
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・有賀泰治

1、私は気分が乗っているのを待たない。そんなことをしていたら何も達成できない。とにかくまず着手することを知るべきだ。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・小説家・詩人 / パール・S・バック

モチベーションが上がらないときこそ、まず、着手することが大事です。手や体を動かすことで、自然とやる気が出てきて、アイデアも湧いてくるからです。やる気が出てから仕事や行動をしようと思わず、着手さえすれば、やるべきことをやり遂げることができるのです。

気分が乗らないときでも、まず、着手することができることです。

一度しかない人生、気分が乗らないなんていつまでも言ってはいられません。アッと言う間に年をとってしまいます。

2、人間は働きすぎてだめになるより、休みすぎて錆び付き、だめになる方がずっと多い。他の人に一生懸命サービスする人が、最も利益を得る人間である。

・・・・・・ケンタッキーフライドチキン創業者 / カーネル。サンダース

カーネルは40歳で企業、65歳のときに経営難により、店は閉店し、ほとんどの資産を失っています。そんな状況に陥っても決して諦めることなく、世界初の「フランチャイズビジネス」を生み出し、フライドチキンの調理方法を教える代わりに、売上げの一部をもらう、新しいビジネスモデルを考案したのです。その過程では、1009社もの会社に断られて、1010社目でようやく契約を獲得し、「ケンタッキー。フライドチキン」の偉大な歴史が始まりました。
どんな状況でも「不屈の精神」があれば、年齢は関係なく、ゼロから這い上がることが可能なのです。

何かを成し遂げることなく、簡単に諦めないことです。

3、自転車は走ればこそ転倒しない。要領よい連中は、不安定な世の中を遊泳する。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・哲学者 / アラン

どんなに不安定な状況であったとしても、行動することをかめてしまうことはだめです。
すべてが完璧にこなせないとしても、走りながら考えることで、はじめて体得したり、想定外のチャンスと出会えることがあります。
試行錯誤を繰り返しながらでも、ぺダルを漕ぎ続けることができれば、経験の中からコツを掴み、上達することができるのです。

4、1時間の浪費をなんとも思わないひとは、人生の価値をまだ発見していない。
・・・・・・・・・・・・・・・・・自然科学者 / チャールズ・ダーウィン

大きな《 志 》を持っている人は、毎日1時間ずつの積み重ねせも、「365日」あれば、どれだけの成果を生み出すことができるのかを知っています。
その日だけで見れば、ほんのわずかな時間の配分であったとしても、継続することができれば、やがて大きな結果に繋がっていくのです。だから、1時間の本当の価値を理解し、限られた時間を無駄に過ごしてはならないのです。

将来のために、毎日継続していることはありますか?

5、常に時間はたっぷりある。うまく使いさえすれば。

・・・・・・・・・・・・詩人・劇作家・小説家・自然科学者 / ゲーテ

忙しいという言葉はあまり使うべきではありません。仕事を効率化する努力をしないで、自分の限界を引き下げてしまうことになるからです。
人間は、締め切りや期限など、切羽詰った状況に追い込まれると、時間の効果的な使い方を考え、最短で効果を上げる仕組みをコントロールできるようになります。

限られた時間で効率よく進める方法を考えていますか?

6、最大の名誉は決して倒れないことではない。倒れるたびに起き上がることである。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・孔子

誰にでも苦しくて、なかなか元気が湧いてこないときもあるとおもいます。失敗や挫折をしたときこそ、顔を上げて、背筋をピンと伸ばし、「元気なフリ」しているうちに、だんだんと本当に元気が出てくるものなのです。
「気持の持ちよう一つ」で、前向きな状況を自ら作り上げることが可能だからです。たとえ失敗したとしても、それには意味があることなのです。
そこから多くのことを学び、その経験を次の「機会」に活かすことができれば、大きな「改善」に繋がるのです。

7、誰かから「いいね」と認めてもらう前に、アイデアは実行に移さなければいけない。
試されないグットアイデアよりも、試してみたバッドアイデアの法がよっぽどましである。アイデアは使えば使うほど人から認められるものだ。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・クリエーター / ポール・アーデン

何かを始めようとしたとき、「できる」「できない」ではなく、自分が「やりたいか」「やりたくない」が最も重要なのです。自分の意思で決断し、未踏のアイデアを試すくらいの情熱を燃やすことができれば、人を動かすことも可能だからです。
何度もテストすることで、偶然の発見と出会うこともあります。

まずは小さなことがらからコツコツと実績を積み上げていきましょう。

8、正義の行動

歴史には常に転換点がある。南アフリカ共和国では、1976年6月19日、アパルトヘイト・人種隔離に対する国内外の怒りが爆発した。それはデモ行進(ソウェト蜂起)がきっかけだった。一方的な当局の教育方針に抗議した際、13歳の男子生徒をはじめ子供たちが、警察の発砲のぎせいとなった。この事件以降、正義の行動が加速し、あしき政策は91年に完全撤廃された。この日は現在、南アの祝日「青年の日」となり、アフリカ統一機構(現アフリカ連合)によって「アフリカの子供の日」と定められた。
流血の惨事は繰り返してはならないが、歴史転換の原動力、厚い壁に風穴を開ける突破力は、若い力の終結にこそある。勢いある青年群を先頭に皆が立ち上がり不断の挑戦を続ける時、時代は必ず変わる。
南アのマンデラ元大統領は「困難な挫折にくじけず、絶望的なときでも戦うのを諦めてはならない」(『ネルソンマンデデラ 私自身の対話』長田雅子)と語った。
〝転換点〟は渦中では分からない。だが〝ここが転換点〟と決めて戦うことはできる。

9、「一人立つ」

サッカー日本代表が、ワールドカップ出場を決めた翌日の記者会見。お祭りムードをよそに強豪クラブに所属する選手の一人が活を入れるように課題を語っていた。
それは「個」を高めること。世界の舞台では、技術、精神力を併せ持つ選手が、強烈な「個性」をぶつけ合う。そこに遠慮や躊躇(ちゅうちょ)は禁物だ。だから一人一人が、もっと個性を磨く。闘志を前面に出す。でなければ、太刀打ちできない。チーム全員に積極性を促す姿に、感銘を受けた。どんな分野でも、大事をなすには団結が重要だ。では、団結の鍵は何か。
一見、矛盾するようではあるが、自らが「一人立つ」ことであある。
人ではない、環境でもない。
自分が動き、汗を流す。その率先の姿に、人々も心から続く。それが団結を生む原理だろう。

10、時間だけは神様が平等に与えて下さった。これをいかに有効に使うかはその人の才覚であって、うまく利用した人がこの世の成功者なんだ。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・本田宗一郎

一般的には時間が基本だ、と言われますが、本当にすべきなのは、時間管理なのではなく。自分自身の行動管理なのです。
「一定の時間の中で何をするか、どう行動するか」ということが、最も大事なことだからです。
ひとりひとりが持つ才能や個性はすべて異なり、果たすべき使命や貢献したい内容も異なります。だから、「大きな目的」や「何のために」「なぜ」を明確にし、自分に合ったアクションマネージメントをしていくことが効果的な時間管理に繋がっていくのです。
時間をコントロールすることができますか?

11、一緒に行動

2019年にワールドカップ日本大会を控えるラクビー。昨年6月日本人初の国際ラクビーボードの殿堂入りを果たしたのが、元日本代表の坂田好弘氏。32歳で現役を引退後、
今春まで36年間、大坂体育大学監督を務めた。同大学は1985年以降の7年間で関西大学Aリーグを4回制覇するが、その後は優勝から遠ざかる。そんなとき氏はニュージーランドへ。全く未経験の子供たちにラクビーを教えた。どう指導するか悩んだ末、一緒に遊ぶことにした。
教えるのをやめ、いきなりゲームをしたのだ。子供は口で説明するより、ずっと早く上達した。この経験を通し、氏は「言葉だけでは忘れてしまう。見せてもらえば記憶に残る。一緒にやらせてもらうと理解する」という〝コーチングの極意〟を再確認する。
大学で実践に移し、関西大者に帰り咲いた。(『心で見る』ベースボールマガジン社)
「してみせて、言って聞かせて、させてみる」
名君・上杉鷹山(ようざん)が説いた教育の要諦にも通じるエピソードだ。
青年を育てるには「会う」「語る」そして「一緒に行動する」
先輩が後輩に過去を語るだけでなく、一緒に行動し、体験を共有する。それを「後継」というのだろう。

12、万策尽きたと医思うな!自ら断崖絶壁の縁にたて。そのときはじめて新たなる風は必ず吹く。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・松下幸之助

絶体絶命のピンチに置かれたとき、最も効率の良い方法や集中すべきポイントを発見し、その能力が急激な進化を遂げることがあります。そのためには、日頃から冷静に判断できる精神力を高め、いかなる状況におかれても、決して諦めることがない、「信念」を養うことが大切です。
自分を超えるには、あえて険しい道を選び、それを乗り越えるために、極限まで追い込む修業や訓練を継続することで、はじめて見えてくるものがあるのです。

13、最高のザイル

人間の離れがたい親愛の情を「絆」と呼ぶが、元来は「綱」の意味。死と隣合わせの登山家は、文字通りの「絆」で命を支える。険難の峰に挑む際、互いの体をザイル(綱)でつなぐのだ。誰かが足を滑らせても落下しないよう、皆で支え合うためだ。それぞれの足場は違う。だが、全員の心は一点に集中する。「山頂に立つ」ことだ。
8000m級の山々へ無酸素登頂を続ける登山家の小西浩文さん。「限界を超える」鍵を語っていた。
「自分は生き抜いてやるという明確な意思がなければ、挑戦しようという気力もわいてこない。その上で心が通じ合う仲間がいて、力が発揮できる。」
まず、自分が勝つと決める。そう決めた一人一人が団結したとき、最高の力がでるということだろう。

14、足を速めれば早めるほ、つまずく可能性は大きくなるが、どこかに辿り着く可能性も大きくなる。

・・・・・・・科学者・発明家・哲学者 / チャールズ・ケタリング

何事も失敗を恐れて実行しないよりは、前向きに考えて決断し、挑戦をしていった方が、自分の可能性は、結果的に広がっていくものです。
人間は大きな決断さえできれば、それを達成するためなら、大抵のことはできるはずだからです。何かを達成するには、「何が何でも成し遂げたい」という、強い意志を持つことが大事なのです。
先手必勝を意識して、迅速な行動をとることです。

15、偉大な作曲家たちは、意欲が湧いたから作曲に取り組んだわけではない。取り組んだので意欲が湧いたのだ。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・音楽評論家 / アーネト・ニューマン

何かを始めるとき、なかなかモチベーションが上がらないときが誰でもあうと思います。そんなときこそ、すぐできる、簡単なことから手をつけると、だんだんやる気が起こってきます。
まず、意識せずに取り組める好きな仕事を行い、そこからスタートすることが、脳を刺激し、活動的な一日とする秘訣だからです。
はじめの一歩を踏み出すプロセスを工夫することで、効果的にエネルギーを出せる状態を作り出すことです。

16、一日これといった喜びや満足感なしに、ただなんとなく過ごすのでは人生はもったいない。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・松下幸之助

有意義な一日を過ごすことは、自分のためにだけではなく。困っている人のために、できることをしてあげることです。
それを実行するために、朝一番で成すべきことをリスト化し、最も優先順位が高いものから、とり掛る習慣を身に付けると、これまでの日々とは違った多くの成果が得られるはずです。
大きな目標に向かった、長期的な計画を作成することも大切ですが、結局、何かを成し遂げるためには、
一日一日で、価値ある仕事がいかに実行できるか、の積み重ねなのです。

17、効果のあったことはさらに続け、効果のなかったことはやめて、その分、新しい行動にトライすればいい。

・・・・・・・・・・・著作家・講演家 / ジャック・キャンフィールド

何事も定期的に同じ事を繰り返し行なっていると、伸び悩みの時期が訪れることがあります。そんなときは、現状の取組みに満足することなく、新たなプランにチャレンジし、実践でテストすることが、停滞期を打破するためには必要になってきます。
ダントツの成果をあげるには、行動プランにたいしたて、仮設と検証を行い、結果が出ることに注力していくことが最大の効果をもたらしてくれるのです。
自分自身ですでに取り組んでいくことは、前後の数値データーが存在しているはずなので、それを計測、分析し、効果があったことにフォーカスしていれば、確実な成果に繋がるからです。

18、優れたアイデアをすべて自分で着想することなど誰にもできない。大切なのは学習するスピードであり、優れたアイデアを実行する能力である。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・デル創業者 / マイケル・デル

新しい商品やサービスを発想するときは、自分の強みを認識し、競合他社を調査し、分析しながら、早いタイミングでリリースしていくことが欠かせません。
自分の独自アイデアだけでなく、他からも学ぶ姿勢を持っていれば、複数の成功要素を組み合わせて、新しい何かを創り上げていくことも可能だからです。
慎重に企画したり、プランを作成することも大事ですが、他に先駆けて仕掛けることが実行できれば、実践の中から改善を加え、これまでにない斬新なサービスをいち早く育てあげることもできるのです。
展開のスピードを重視し実行することが大切

19、絵画にしろ、他の芸術にしろ、卓越した作品を生み出そうと決意したなら、朝起きてから夜眠りにつくまでの全精神をそこに傾けなければいけない。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・画家 / ジョシュア・レイノルズ

芸術家だけでなく経営者や各業界のプロとして活躍している人は、決して運が良かったのではなく、長い年月の努力として名声を得ていることが多いものです。
プロゴルフ選手でも、子どもの頃から苦しい練習に励んでおり、賞金が欲しいからという理由だけでは、厳しい特訓に耐えられません。彼らは、素晴らしいプレイをすること自体に喜びを感じているのです。
卓越するために、全神経を傾けていることです。

20、チャンスというのは、自分の中にある。境遇や運や他人から与えられるものではない。ただひたすらに、自分の中にある。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・実業家 / オリソン・マーデン

絶好の機会を手に入れるには、自分自身の力で、日々、地道な努力を積み重ね、少しずつでも結果を出していくことが重要なのです。
チャンスは、偶然に訪れるものだはなく、目標とすることを成し遂げるために、長い間準備し、具体的な行動を起していく人だけに、訪れるものだからです。チャンスの鍵を握っているのは、運でも他人でもなく、自分なのです。
自ら機会を引き寄せるために、最善を尽くすことです。

21、仕事のできる人とは、自分で仕事を見つけだしてきて、自分でそれを片付ける人のことだ。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・実業家 / 邱 永漢

会社から与えられた特定の仕事でけを、毎日同じように繰り返しているだけでは、目覚しい進歩や成長を成し遂げ、自分の人生を実り多いものにすることは難しいものです。
顧客や組織のために、自分自身で創意工夫し、日々新たな創造をしていける人だけが、辿りつける場所があるからです。
現在がどんな立場であれ、起業家精神を持ち、自己完結型で物事を進めることができるようになれば、より大きな仕事を任され、社内外で活躍できる貴重な人材として評価されるのです。
「これでいいのか」という問いかけを自分自身にすることです。

22、「富国有徳への道」

1、「この国の人々は今までに発見された国民の中で最高であり、日本人より優れている人々は異教徒の間では見つけられない。彼らは親しみやすく、一般に善良で、悪意がない。驚くほど名誉心の強い人々で、他の何ものよりも名誉を重んじる。大部分の人々は貧しいが、武士も、そういう人々も貧しいことを不名誉とは思わない……」

1549(天文18)年、キリスト教布教のために日本にやってきたフランシスコ・ザビエルが、本国に送った手紙である。
それから300年、江戸末期から明治にかけてたくさんの外国人が日本を訪れ、日本と日本人についての感想を残している。

2、 イギリス人女性旅行家で紀行作家のイザベラ・バードは1878(明治11)年5月に来日、東北や北海道を旅行し、こう書いた。

「ヨーロッパの国の多くや、所によってはわが国でも、女性が外国の衣装で一人旅をすれば現実の危険はないとしても、無礼や侮辱にあったり、金をぼられたりするものだが、私は一度たりとも無礼な目に遭わなかったし、法外な料金をふっかけられたこともない」

3、1856(安政3)年、通商条約を結ぶために来日したハリス提督は、その日記にこう記している。

「彼らは皆よく肥え、身なりもよく、幸福そうである。一見したところ、富者も貧者もない。これが人民の本当の幸福の姿というものだろう。 私は時として、日本を開国して外国の影響を受けさせることが、この人々の普遍的な幸福を増進する所以であるかどうか、疑わしくなる。私は質素と正直の黄金時代を、いずれの他の国におけるよりも多く日本において見出す。生命と財産の安全、全般の人々の質素と満足とは、現在の日本の顕著な姿であるように思われる」

4、1890(明治23)年来日のドイツ人宣教師の記録。

「私は全ての持ち物を、ささやかなお金も含めて、鍵を掛けずにおいておいたが、一度たりともなくなったことはなかった」

5、フランスの詩人ポール・クローデルは1921~1927(大正10~昭和2)年まで駐日大使を務めたが、第二次大戦で日本の敗色が色濃くなった1943(昭和18)年、パリで言った。

「日本は貧しい。しかし、高貴だ。世界でどうしても生き残ってほしい民族をあげるとしたら、それは日本人だ」

私たちの祖先は勤勉・正直・親切・謙虚・素直・感謝といった徳目を規範に、幾世紀も暮らしてきた人たちであった。外国の人たちの証言はそのことを明らかにする。さて昨今は……隔世(かくせい)の感、と言わざるを得ない。

この日本人の美質を取り戻し、後生に渡さなければならない。私たち一人ひとりがこの美質を涵養(かんよう)し、発揮した時、日本は真に豊かな国となる。富国有徳とはこのことである。
先覚者、安岡正篤師の言が思い起こされる。
「人々が己れ一人を無力なもの、ごまめの歯ぎしりと思わず、如何(いかん)に自分の存在が些細(ささい)なものであっても、それは悉く(ことごとく)人々、社会に関連していることを体認して、まず自らを良くし、また自らの周囲を良くし、荒涼たる世間の砂漠の一隅に緑のオアシスをつくることである。家庭に良い家風をつくり、職場に良い気風をつくれないような人間が集まって、どうして幸福な人類を実現できましょうか」

生前、政財界の指南役として、多くの人に生きる道を指し示してきた碩学・安岡正篤先生。

混迷の時代、私たちは何を目指して進んでいけばよいのか。安岡正篤先生没後30年の節目を機に、安岡教学の神髄、不易の人間学を学びます。

* * *

安岡正篤先生の語録のすべてを凝縮した教えを示せといわれたら、これから読む二つの言葉に要約できると思っています。

まず一つ目はこうです。

「何ものにも真剣になれず、したがって、何事にも己を忘れることができない。
満足することができない、楽しむことができない。
したがって、常に不平を抱き、不満を持って何か陰口を叩いたり、やけのようなことを言って、
その日その日をいかにも雑然、漫然と暮らすということは、人間として一種の自殺行為です。社会にとっても非常に有害です。毒であります」

こういう人間になってはいけないということですね。

じゃあどういう生き方がいいのか。

「いかにすればいつまでも進歩向上していくことができるか。
第一に絶えず精神を仕事に打ち込んでいくということです。純一無雑の工夫をする。
純一無雑などと申しますと古典的でありますが、近代的にいうと、全力を挙げて仕事に打ち込んでいく、ということです」

これは人生の要諦だと思います。

『安岡正篤――心に残る言葉』(藤尾秀昭著)より

23、今月の言葉

① 富国有徳への道は一己より始まることを、私たちは忘れてはならない。
今日よりは明日、明日よりは明後日と、常に改良改善を絶え間なく続ける
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・稲盛和夫(京セラ名誉会長)

② 行動に移せなかったら何も考えていない人と同じレベル
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・齋藤泉
(山形新幹線つばさ号で驚異的な売り上げを誇るカリスマ販売員)

③ 名を残さず、行いを残せ
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・二宮尊徳
(600もの村々を復興させた江戸後期の農政家
日々の小さな行いの積み重ねがその人の人生をつくる

④どれだけたくさんのことをしたかではなく、一つひとつにどれだけ心を込められたか
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・マザー・テレサ

⑤ 求めることによって道ができる。求めなければ発見はない。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・谷川健一(民俗学者)

⑥ 過去も未来も手放して、いまここに全力投球する。そうすると、扉が開いて次のステージに上がれる。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・白駒妃登美
(ことほぎ代表取締役/「博多の歴女」として人気の歴史講師)

⑦ 同じことを言われても、言われたことだけをやる人とそれ以上のことをする人がいる。
そういう一つひとつの積み重ねが長い年月の中で大きな差になっていく
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・本田美登里
(U-20サッカー日本女子代表コーチ/ヤングなでしこを史上初のW杯銅メダルに導いた)

⑧ 自分の生き方を正すことで、周囲の人たちが正され、
その人たちによって国や社会が正されていくという広がりを持たなければ、
本当の「修身」ではないのでしょう
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・松浦光修(皇學館大学教授)

⑨ 道を学ぶ者は、心情を豊かに涵養しておかねばならない
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・安岡正篤(東洋思想家)

⑩ 言行一致の人でなければ指揮官とはいえません
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・火箱芳文(第32代陸上幕僚長)

⑪ 稼ぎの多寡をあれこれ論じたりせずに、脇目もふらず無心に働く
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・佐々木純(佐野契約会会長)

⑫ 自らの心と体をしっかり修める努力を一時たりとも休んだり、怠ったりせず、前へ進み続けなければならない
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・近藤幸世(自彊術普及会会長)

⑬ 「孝は私を破りすつる主人公なり」
(自分を生み育ててくれた親のことを思えば、悪事に手を染めることはできない)
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・中江藤樹
(近江聖人と称えられた江戸初期の陽明学者)

⑭ 人と生まれては高きも賤しきも、せねばならぬものは学問なり。
いたづらに五穀を食ひて、前向きてあゆむばかりのわざにては、犬猫といはんも同じことなり
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・真木和泉(幕末の志士)

⑮ 口は人を励ます言葉や感謝の言葉を言うために使おう
耳は人の言葉を最後まで聴いてあげるために使おう
目は人のよいところを見るために使おう
手足は人を助けるために使おう
心は人の痛みがわかるために使おう
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・腰塚勇人(「命の授業」講演家)

⑯ いかなる立場にあっても謙虚さを忘れず、己を磨き続ける
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・伊與田覺(論語普及会学監

⑰ 「我を亡ぼす者は我なり。人、自ら亡ぼさずんば、誰か能く之を亡ぼさん」
自己革新は、この『われ』にある。

原因も結果も、自分自身にあります
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・安岡正篤
(東洋思想家/昭和の歴代首相、財界人の指南役)

⑱ 「処人藹然」
人に接しては相手を心地よくさせる
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・前原金一(経済同友会専務理事)

⑲ プロとはいったい何か。いろいろな考え方があると思います。
私が考えるプロとは、覚悟があるか否か
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・竹内洋岳
(日本人として唯一人、8000メートル峰全14座を登頂したプロ登山家)

⑳ 「日常生活即体操」。練習場にいる間だけが練習なのではなく、生活すべてが技術を磨く場なのである。
日常生活がだらしない人間は強い選手にはなれないし、社会に出てからも役立つ人間になれない
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・辻野朝晟
(洛南高等学校体操部名誉顧問/アテネ五輪金メダリスト冨田洋之らを輩出した名指導者)

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