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有賀泰治ブログ

6月の経営方針共有勉強会 

 

 

テーマ《 その時の心は 》 2-2

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 2017年6月1日

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・有賀泰治

ピッチャーはその『能力』が高くてもも一流の選手にはなれません、『意欲』総じて精神的な熱意がある者だけが一軍で活躍できます。それは、野球やスポーツの世界だけではありません。経済社会において、この能力や意欲は欠かすことのできないものです。

5月から2か月続いてのテーマになります。

11、挑戦の心

 

産業再生機構41社の企業再生支援を行なった株式会社経営共創基盤代表取締役CEOの富山和彦さん。

若い人に「挫折力」の大切さを強調している。

「挫折力」とは、挫折を愛し、乗り越え、生かしていく力。富山さんは挫折を積極的に受け入れる中で、厳しい時代を生き抜く力を身につけられると訴える。確かに周囲を見渡しても、さまざまな組織のトップに立つ人は、何らかの失敗や挫折を経験していない人の方が珍しい。

「挫折とは、自分の能力以上に挑戦した者だけが得られる特権であり、それが人としての伸びしろになる」

という富山さんの言葉が印象的だった。

人生では、時に自分の思うようにいかない事態が起きる。仕事で大きな失敗をすることもあろう。その時に逃げてしまえば、「挫折」のままで終わる。どんなに不恰好であろうと、そこで “ 誠実 ”に粘り強く挑み続ければ本物の力になる。

「挫折力」とは「不屈力」「挑戦力」とも言い換えられよう。

「青春時代の本当の失敗は、失敗を恐れて挑戦しないことである」仮に苦闘続きの日々だとしても、へこたれず、諦めないことだ。

 

12、価値創造の知恵は足下にある。

 

たまに乗る新幹線の車内販売で、時々、後ろ向きにワゴン車を引く姿を見かける。

ワゴンを切り返すスペースがないわけではない。実は、“ 伝説のカリスマ販売員 ”の茂木久美子さんが編み出した方法なのだそうだ。通り過ぎたお客さんと視線を合わせて “ 欲しいサイン ” をキャッチしたり、お客さんの足にワゴンがぶつかるのを防いだりする利点があるという。他にも、お釣りを素早く渡せるよう、あらかじめ準備したり、商品のやりとりの際、「今、富士山が見えますよ」と一言添えたり。チョットした心遣いだが、 “ お客さんに気持ちよく過ごしてもらいたい ” という思いが表れている。

“物を売るだけ” と考えてしまえば、知恵も意欲も湧かない。仕事の意義を見出して、工夫を加えたり、交流する人の幅を広げることで、やりがいをつかむ・・・

ポジティブ心理学でいう「ジョブ・クラフティング(作り上げる)」である。大切なのは現状を今一度、見つめ直すこと。自身の動機や強みを確認していけば、必ず気づきがある。

万事、“ 当たり前 ” “仕方がない ” と決めつければ向上心がない。

目の前の課題を、心を働かせて見つめ直す。たゆまぬ工夫と挑戦の中で突破口が開く。

 

13、幸福の実現という最大の夢。

 

今年の米アカデミー賞で最多6部門を受賞した映画「ラ・ラ・ランド」。

女優を夢見る女性と、ジャズピアニストとして苦闘する男性が織りなすミュージカルだ。監督・脚本は32歳のデイミアン・チャゼル氏。以前は自分が望む映画を作る資金もなかったため、短編を製作。それが好評を博し、長編版の完成にこぎつけるなど苦労した。

彼はインタビューで「あなたの経験から他の人に学んで欲しいか?」と聞かれこう答えている。

「大きな夢を持つことです。僕はこの映画を “ただの夢 ” ではなく、 “ 皆 が無理だとばかにするような夢 ” への賛辞にしたかったんです」

青年には無限の可能性がある。それを引き出す原動力が “ 夢 ” であろう。夢に向かっての苦闘と挑戦そのものが人生の無上の財産となる。

その大目的に生き、努力を続ける中で、自らの人生の “ 夢 ” も実現していく。その確信を胸に日々、挑戦を重ねたい。

 

14、不屈の情熱の人は、試練を糧に、強く大きく成長することができる。

 

体調を崩したので寝ようと思い、枕を探すが見当たらない。その時・・・!、もう、1年近く枕で寝ていないことに、はたと気づく。若き日の福沢諭吉である。蘭学の勉強に熱中し、床で寝ていたのだ。

福沢はある日、横浜の外国人居留地に出かけた。街の看板を見ても分からない。聞くと、それは英語だった。時代は今や英語だと知った。あれほど猛勉強したのが役立たない。落胆は大きかったはずたったが、学問の情熱を一層燃やし、翌日から英語の勉強を始めたことは有名な逸話だ。

「情熱」を表す英語の「パッション」には「受難」の意味もある。先のエピソードを通じて脳科学者の茂木健一郎氏は「情熱とは苦労することから生まれる」と記した。(「何のために『学ぶ』のか」ちくまプリマー新書)

 

15、『絶対に勝つ』方程式

 

長島茂雄監督が言った「メークドラマ」が新語・流行語大賞に選ばれたのは20年前だった。プロ野球の巨人が、首位とのゲーム差11.5ゲーム差をひっくり返して優勝した歴史は語り草になっている。それと同じゲーム差を逆転するドラマが、再び生まれた。昨年の北海道日本ハム・ファイターズのリーグ制覇だ。大きく出遅れ、まだ3位だった前半戦、「首位のホークスしか見ていない」と栗山英樹監督は語った。指揮官の執念が、下馬評を覆す快進撃を生んだ。

竹田憲宗球団社長も述べていた。「『日本で2番目に高い山は?』と聞かれても、答えられる人は少ない。どんなことでも1番を目指すべきです。全力で立ち向かい、頂点を目指す意欲が必要です」

想像も及ばぬ逆転劇はスポーツの醍醐味といえる。最後まで分からないのが勝負の世界。ゆえに、勝負はまず、自分の心の中で決まる。諦めた瞬間に勝負は終わるが、周りが “ もう無理 ” と思っても、 “ まだいける ” と自分で自分を諦めない限り、活路はある。

「勝つために生まれてきた」

その究極の力が、信じる心は、人生という名の勝負も変わらない。

 

16、喜びも悲しみも正面で受け止める。

 

今年2月亡くなったオランダの絵本作家ディック・ブルーナさん。うさぎの「ミッフィー」シリーズをはじめ、多くの作品を残した。

ブルーナさんが描いた絵本の登場人物は、いつも正面を向いている。体が横を向いていても顔は真正面のまま。その理由を「嬉しい時も悲しい時も目をそらすことなく、読書の子供達に正直に対峙していたいという気持ちのあらわれ」と語った。全ての子供に「平等に幸福が訪れますように」と創作を続けたという。(「ミッフィーからの贈り物」講談社)

10代の時、ナチス・ドイツがオランダに侵攻した。疎開先で過ごしていた冬の日、幾人かのユダヤ人が冷たい湖を泳いで逃げる場面を見かけ、憤りと悲しみが込み上げた。少年時代の体験から「戦争はあってはならない」と。子供を見つめる眼差しの奥には、平和を願う信念があったのだろう。

『生命』を基準にした時、誰もが一対一で向き合うことができる。皆んなが、かけがいのない命を持っている。幸せになる権利がある。その大前提があってこそ相手を敬うことができる。目的は万人の幸福にある。

 

17、変化の突風が吹く時!

 

俳句の会で「春の季語」を勉強したことがある。梅や桜は言わずもなしとして、驚いたのは「凧」である。

正月に揚げるイメージから、冬の風物詩とばかり思っていた。そもそもは江戸時代に春の行事として流行したものらしい。凧のほかに風車、風船、シャボン玉も春の季語に入るそうだ。いずれも「風」と遊ぶ玩具である。暖かさを増した風に誘われ、子供達が外遊びに興じるのどかな光景に昔の人々は春の訪れを重ねたのだろう。

季節の移ろう日本では、風の変化を鋭敏に読み取る感性が磨かれるのかもしれない。「風」の語が、自然現象にとどまらず、「世の動き」「形勢」等の意味で使われるのも興味深い。

同じ「風」でも捉え方は人それぞれ。少々の「向い風」に怯む人もいれば、鳥や飛行機のように飛翔の好機とする人もいる。向い風であれ、追い風であれ、活かせるかどうかは自分次第。

どうせなら風を利用して勢い付けたい。仏典に登場する伝説上の虫「求羅」(ぐら)は大風に吹かれるほど、その身が倍増するという。

ブラジルの作家ベリッシモ、曰く

「変化の突風が吹く時、防壁を立てる人もいれば、風車を創る人もいる」と “ 攻め ” の姿勢こそ、あらゆる風を楽しむための急所に違いない。

 

18、不可能な壁は、少し頑張れば可能な、しかし弛みない努力の末に破られる。

 

バスケットボール界の伝説的選手マイケル・ジョーダン。彼は常に高い理想を持ちながらも、短期の目標を設定し、着実に努力を重ねてきた。

大学3年の時のこと。周囲から期待の大きさを感じた彼は、次第に “ 華麗なダンクシュート ” ばかりを追求するようになった。だが逆に技術は伸び悩み壁にぶつかった。

ある日、監督に指摘され、好調だった時は基本練習を繰り返し、繰り返し、していたことに気づく。

「3年生の僕は近道を探していただけ」と振り返る彼は、こう断言する。

「目標を達成するには、全力で取り組む以外に方法はない。そこに近道はない!」(『挑戦せずにあきらめることはできない』楠木成文訳)

目標が大きいと “ 一気に ” “ 要領よく ” 進めたいと思うことがある。しかし、地道な努力なくして、大きな飛躍は望めない。

「衆流あつまりて大海となる」という言葉がある。

広大な海は、小さな川の集まりであり、その川もまた、一滴の水が集まりであり、その川もまた、一滴一滴の集まったものである。

大発展、大勝利といっても、日々の挑戦の積み重ねである。今を勝ち、きょうを勝つ中にしか、将来の栄光も、人生の勝利もない。

 

19、根本に感受性を磨く。今、目の前の人が求める“心”を届けたい。

 

「時代の飢餓感にボールをぶつける」

自身の創作活動を、そう表現したのは作詞家の阿久悠さんだった。作詞とは「時代の中で変装している心を探す作業」と(『書き下ろし歌唱曲』岩波新書)

「幸福」という言葉一つとっても、人々の考える意味は時代によって変わる、と阿久さんは言った。お腹が満たされていること、欲しいものが手に入ること、友人や家族と楽しく過ごすこと・・・。それを知るために、阿久さんは後半生の二十数年間、日記をつけることを習慣にしていた。

書き留めたのは主に日々のニュース。世界情勢、経済の動向や、天気、スポーツの結果など。毎日の記録で「昨日と違う今日の確認」をしたという。ささいな出来事から時代の変化を洞察する。そうして人々が待ち望む “ 言葉 ” を世に送り続けた。

歩き方、肩の怒らし方、また、声で、その人がわかるものだ。ドアの開け方ひとつで、その人の心模様がわかるもの。

人々の生命状態を見抜くことが、人の上に立つ指導者の要件であることを知ることだ。

 

20、異体同心

 

沖縄県・那覇市の3大祭りの一つ、「沖縄ハーリー」が5月の連休に開催された。祭りのメインはハーリー競漕。地域対抗をはじめ、中学対抗や職域対抗なども賑やかだ。

爬竜船と呼ばれる小船に32人の漕ぎ手と、船首部分に鐘打ち役、船尾には舵取りが乗り込み、速さを競う。本番が近づくと、早朝や夕刻には、練習に励む鐘の音があちこちから聞こえる。

ハーリーの漕ぎ手に聞いたことがある。

「大切なのは鐘うちのリズムに、全員が呼吸を合わせて櫂をさばくことです」と。

どんなに力や技術のある漕ぎ手を揃えても、櫂を漕ぐタイミングがバラバラなら力がそがれ、スピードに乗ることはできない。逆に、みんなの呼吸が合えば、ぐんぐんと勢いが増していくという。

中国の歴史に「殷の紂王(いんのちゅうおう)」は、70万人の大軍でしたが『同体異心』であったので、戦いに負けた。周の武王は8000人でしたが「異体同心」であったので、勝った。とあります。

異体同心の団結とは、個性を抑えるものでない。大目標に向かって、心一つに切磋琢磨する。その中で一人の力が最大限に引き出され、想像を超えた大きな力となる。一人が輝く団結の前進だ。

 

21、新社会人の挑戦は始まったばかりだ。ここからが本当の勝負。胸を張って目の前の課題に挑もう。

 

新年度がスタートして3月に入った。新入社員の中には思い描いていた理想と、現実とのギャップを感じている人もいるだろう。“ 向いていないのでは・・・” と悩む人もいるかもしれない。

米マイクロソフト社のビル・ゲイツ氏はプログロマーの採用試験に、ある課題を出した。それはIQやプログラミングの技能の高さを問うものでなく、単調なトラブルシューティングに何時間も取り組むという、粘り強さを試す作業だった。氏は、最後まで課題をやり遂げた受験者だけを採用した。(アンジェラ・ダックワース著、『やり抜く力』ダイヤモンド社)

入社間もなく、仕事への適性に悩む青年へは「自分の今の職場で全力を挙げて頑張ることだと」激励している。

嫌な仕事から逃げ出さず、努力しているうちに、最後は自分にふさわしい仕事に到達するだろう。

そもそも仕事の適性など、自分ではなかなか分からないもの。だからこそ“ 今の職場で勝つ ” と決め、努力を重ねる。その姿勢を貫く中で、あらゆる世界に通用する力が付く。やがて、進むべき道も見えてこよう。

 

 

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