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有賀泰治ブログ

経営方針共有勉強会 12月

今月のテーマ 《 EQ 》

2018年12月1日
有賀泰治

1、友人のTさんは上場会社で人事のエキスパートとしてキャリアを積み、現在は人事コンサルタントとして独立し3年。何度もTさんと会う中、彼のカリキュラムに興味がわき、共感することができた。
特に“ EQ ” についての興味深い話を聞くことができた。“ EQ ”については30年ほど前から耳にすることがあったが、20年ほど前から体系的に分析して、子供の教育やビジネスマン、企業など、社会に向け人々の能力や知力の向上を図る学問が確立されてきているとのことだった。

2、・・・今年Tさんからきたメールの一文です。

みなさま
「困難の中、指針となるEQ」

今朝の都内は、青い空と薄い雲が入交り、気温も低い。都内の住処のベランダから高層の建物を仰ぎ見る。建物の持つ頑強な建築美を感じる。高い建物をみると山に登りたいという衝動にかられる。

先日、北アルプスの蝶ヶ岳(標高2,677m)に登った。常念山脈の南側に位置する。その日の松本・安曇野平の空は雲で覆われてた。登山届を提出する三俣の登山口では、霧雨になっていたので、合羽を着こんで登り始めた。しばらく、霧の樹林帯を登り続けたが、中腹までいくと、次第に霧の中から抜け出すことができ、ちょうど雲海の上、雲ひとつない空間に出る。

10月(2017年)からスタートした横浜国大と東北大学での秋季講座の中で、IQ(知能指数)の反対側に対峙するEQ(Emotional Intelligence Quotient:感情の能力) にベースにおき、リーダーシップやチームビルディングについて学ぶ講座がある。いつも留学生が9割を占めるのだが、今年は日本人の履修生がかなり多いのに驚く。

EQを8つに分解した感情のコンピテンシー(能力)について、自らの行動パターンをレビューしながら自分のものにしていくプログラムである。最初に学ぶ感情能力が、「感情リテラシー( Enhance Emotional Literacy) という感情について、単純な感情状態から複雑なものまで、正確に認識し、解釈する力である。

人間関係において、自分の感情を適切にコントロールにしていくかは大切な要件である。自分の感情や相手の感情が、その時どのような状態になっているかを、冷静に、正確に把握できるか。自分の感情が意識下に置かれないまま、まさに雲の中にあり、状況がわからないような状態で、立ち居ふるまうことの危うさを避けるための能力である。

山に登るときの判断も非常に難しいものであるが、山の中腹の雲の上にはどのような空間が存在しているのかということを冷静に見極めることによって安全な登山ができる。登山では、地図を読む力である読図力や天気図を読みこむ力があれば、適切な判断・行動をとれる。感情においても同じである。自分自身の感情の地形図に、移り変わる感情の天気図を重ねて、瞬時に正しく読み取る力(感情読解力:リテラシー)があれば、良好な人間関係を楽しむことができる。自分自身の感情を冷静に知ること、職場の同僚や上司、お客様との接客の場面において、感情の変化を適切に知る力は、次の正しい行動をとる上での指針になる。

キャリアコンサルタントの仕事をしていると、難しい人間関係に対峙し、自らを傷つけるほど深く悩む方が多くなってきていることを痛感する。底が見えない困難向き合う時、少しでも、その霧の中を抜け出す力を伝えていきたいと願う。

今日一日が良い一日となりますように、悲しみや困難に向き合っている方に励ましがありますように。また、良い週末をお過ごしください。新しく始まる一週間が皆様にとって、豊かな一週間でありますように。
・・・・・K・T

3、よい機会なので“ EQ ”について勉強してみた。
・・・・・以下《EQ こころの知能指数/ダニエル・ゴールマン/1998年9月20日》より抜粋

⑴ EQすなわち「心の知能指数」とはなんだろう?

それはテストで測定されるIQとは質の異なる頭の良さだ。
・自分の本当の気持ちを自覚して尊重して、心から納得できる決断を下す能力。
・衝動を自制し、不安や怒りのようなストレスのもとになる感情を制御する能力。
・目標の追求に挫折したときでも楽観を捨てず、自分自身を励ます能力。
・他人の気持ちを感じ取る共感能力。
・集団の中で調和を保ち、協調しあう社会能力。

「こころの知能指数」には、日本の社会では珍しくない概念もかなり含まれている。「日本的なもの」の真髄に通ずる部分があると言ってもいいかもしれない。思いやり、自制、調和を重んずる価値観は、本来の日本人の本質だ。ある意味では、「こころの知性」に注目しはじめた世界の変化は、世界の国々が日本社会の安定や落ち着きや成功を支えてきた中心的な要素に気づいた徴候とも言えるだろう。

「こころの知性」に関して、いまの日本で課題とすべきは、学校教育における点数偏差値を見直すことだろう。ひとつには、学力試験で測定されるような認知能力は広範囲な知性のごく一部しか反映していないことが各種のデータからわかっているからだ。自分自身の感情や他人との関係をうまく処理する能力も、知性の一部だ。しかもこれは、人生を最終的に大きく左右する知性だ。

アメリカでは、狭い範囲の成績や点数を重視したところでその子が将来いい人生を生きられるかどうかは予測する基準にはならないのではないか、と考えるようになってきている。学校の成績は、実際、その人が社会に出てから成功するかどうかの予言にはならないし、まして幸せな人生を送れるか、世の中の役に立つ人間になれるかどうかを決定する要素ではない。

いまの日本の青少年にかけられているプレッシャーの大きさを考えると、不安の処理を教える必要があるように思われる。また、いじめの増加を考えると、親切や思いやりの教育に目を向ける必要もありそうだ。生徒にこれだけ大きなプレッシャーをかける学校教育を今後も続けていくならば、プレッシャーにうまく対処する方法も同時に教えていくべきだろう。将来、こころの教育は日本人らしさを支える重要な鍵となるかもしれない。

⑵ いま、なぜEQなのか

人間の感情面に関する科学的研究は飛躍的に進歩した。中でも劇的なのは、脳の画像処理技術が発達して、現に活動している脳の状態を見られるようになったことだ。こうした技術の発展によって、長い間の謎が解明された。人間が考えたり感じたたり想像したり夢みたりしている時に脳の複雑な神経細胞がどう機能しているかが目で見られるようになったのだ。・・・中略・・・こころの働き(あるいはその欠如がもたらす結果)が解明されていたおかげで、社会をむしばむこころの病への対策もいろいろ考えられるようになってきた。

いまようやく、科学は確かな裏付けを持って不可思議な精神の働きを解明し、人間のこころの見取り図を描きはじめてる。

⑶ こころの見取り図

知能を狭義にとらえたのでは、「子供たちが人生をよりよく生きていくために大人たちは何をしてやれるか」、あるいは「IQの高い人が必ずしも成功せず平均的なIQの人が大成功したりする背景にはどのような要因が働いているのだろうか」といった疑問は湧いてこない。
人間の能力の差は、自制、熱意、忍耐、意欲などを含めたところの知能指数(EQ)による、と私は考えている。EQは、教育可能だ。EQを高めることによって、子供たちは持って生まれたIQをより豊かに発揮することができる。
現代社会は枠組みがこれまでにない勢いでほころび、利己的な態度や卑劣な精神が善良な生活をむしばみつつある時代だ。情操と人格と倫理を論ずるうえでも、EQが必要になってくる。人間の基本的な倫理観はEQという基礎の上に成立していることが、近年少しずつ明らかになってきた。
たとえば、衝動は情動が外に現れたものだ。あらゆる衝動の根源は、行動として表出しようと待ち構えている情動なのだ。衝動のままに動けば・・・自制の努力をしなければ・・・倫理を欠くことになる。衝動をコントロールする能力は意志と人格の基礎だからだ。同じように、愛他主義の根源は他人の気持ちを読み取る能力、すなわち共感能力にある。他人の欲求や苦境が理解できなければ、他人に対する思いやりは生まれようにない。いまの時代が何より必要としている倫理は、まさにこの自制と共感だ。

⑷ 「社会に出て成功するのに必要なのはIQが二割、EQが八割」

心の動きは複雑で最先端の科学を持ってしてもまだわからないことが多い。したがって、一口に「EQ」と言っても、その内容は多種多層にわたる。ゴールドマンは「情動の自己確認」をEQの基本と考えている。つまり、自分の気持ちを自分できちんと理解する、ということだ。簡単なことかと思うかもしれないが、これは常識で
想像するよりはるかに奥の深いEQの基本要素だ。
自分の感情をコントロールしたり、やる気を高めたり、相手の気持ちを思いやったりできるようになる。他人と協調しつつ自分の気持ちも大切にできるようになるわけだ。

IQや偏差値がいくら高くても、EQが足りなくて他人を傷つけたりしているようでは、社会人として成功できないし、家庭人としても幸せになれない。
ゴールドマンは、全米の優秀な頭脳が集まっていることで有名なAT&Tのベル研究所でどのようなタイプの研究者が優れた業績をあげていたのはIQが抜群に高い研究員ではなく、同僚たちと日頃から良好な人間関係を築き仲間から愛されている研究員であった。社会に出て成功するかどうかの決め手は、EQなのである。もちろん、仕事に応じたIQは必要であろうが。

自分感情を自覚し、激情をコントロールし、失敗してもあきらめず、他人を思いやる・・・・・
拍子抜けするほど「あたりまえ」に聞こえるかもしれない。日本人が昔から大切にしてきた価値観や倫理観に通じるところも多いはずだ。日本の社会が長いあいだ大切にしてきた心の財産を、私たちは暗い迷い道のどこかにおき忘れてきたのだろうか。今回このゴールドマンの文庫化がより多くの人に読まれ、忘れ物探しの小さな光となることを、心から願っている。
さいわい、IQと違って、EQは教育の力で高めることができる。大人になってしまったから手遅れ、ということはないのだ。もちろん、子供のうちに教育すれば、ずっと楽に身につく。

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