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有賀泰治ブログ

7月の経営方針共有勉強会

経営方針共有勉強会 7月

《 内発 》

2019年07月01日

有賀泰治

1、青年は、望みが大きすぎるくらいがちょうどいい・・・自分自身の最高峰へ

 

日本人初の快挙に列島が湧いた。米プロバスケットボールNBAのドラフト会議で、八村塁選手(ゴンザガ大学)が一巡目で指名された。世界が注目する逸材が最高峰の舞台に挑む。

富山県出身の八村選手がNBAを意識したのは、バスケットボールを始めた中学一年生の時。小学校時代は野球に打ち込む一方。類稀な運動能力を持つ彼に、恩師は言った。「NBAに行くんだ」。以来、練習では一流選手のプレーをまね、早くから “ 世界 ” を意識したことで才能が一気に開花。努力を重ね、世代を代表する選手へと成長を遂げた。

八村選手らの活躍もあり、44年ぶりに五輪出場権を獲得した日本バスケ。長期の低迷を打破するために行った一つが「意識改革」だった。“ アジアは通過点 ” という考え方に変え、あらゆる面を世界レベルに上げていった。

意識が変われば行動が変わる。目標が高ければ苦労が尽きないが、その分、大きく成長できる。挑戦と向上こそ青年の特権である。

 

2、内発力

⑴ 「内発力」・・この言葉には辞書はない。「内発的」なら辞書にある。外からの刺激によらず、内からの欲求によって湧き出す力。これを称して内発力という。

内発力の弱い人には真の成長はない。自らの人生を切り開いた人には皆、内発力の強い人である。故渡部昇一先生がそうであった。

渡部先生が上智大学一年生の時である。父親が失職、授業料も目途が立たなくなった。困った先生は授業料免除の特待生になることを決意する。当時、上智大学の寮に井戸があった。先生は毎朝5時に起きて井戸水をかぶり、勉強に向かう。目指すは全科目百点である。必死に勉強した。結果は総合得点で二番手に二百点以上の差をつけ、特待生になることができた。

その頃、アメリカ留学の話があった。成績トップの先生が当然選ばれると思っていた。ところが選ばれたのは別人だった。「渡部は社交性がない」というのが理由だった。貧乏学生で服装はいつも着た切り雀。喫茶店に入る余裕もなく、そして何よりも勉強。そんな様子が非社交的とみなされたのである。それでも先生は腐らなかった。全科目百点を目指して勉強を続け、英語学はイギリスよりドイツが進んでいると聞き、ドイツ語の学習も続けた。

大学院を卒業し、助手になった時に幸運は起きた。大学院長に指示されたドイツ語の翻訳を完璧にこなしたことで、ドイツ留学の話が決まったのである。最初の留学話から5年後のことである。学年一番の自分が外された現実に先生は腐ることなく、内からの欲求に突き動かされて努力し、それを維持した。まさに内発力である。

その力を養い、幸運の女神が微笑む要因となったのである。

⑵ 『プロフェッショナル100人の流儀』という本がある。各界一流のプロの珠玉のような言葉が紹介されている。この百人に共通しているのは内発力の強さである。

例えば、人間国宝の講談師、一(いち)龍(りゅう)斎(さい)貞(てい)水(すい)さんの言葉。

「教えてくれなければできないって言ってる人間には、教えたってできない」。そして、こう付け加える。「僕はたまに“貞水さんはあまり後輩にものを教えませんね”って言われるけれど、僕は教えるんじゃなくて伝える役。伝えるということは、それを受け取ろう、自分の身に先人の技を刻み込もうとするから伝わっていく」

銀座の鮨屋(すしや)に「すきやばし次郎」の主人、小野二郎さんも言う。

「教えてもらった事は忘れる。自分が盗んでものはわすれない」

内発力のないところにいかなる成長もないことを二人の先達の言葉は教えている。

⑶ 最後に、侍ジャパンの監督を務めた小久保裕紀(ひろき)さんが、イチローについて忘れられない思い出があると『毎日新聞』に書いていた。

小久保さんはプロ2年目に本塁打王を獲得。だが天狗になり、翌シーズンは散々。一方イチローは三年連続の首位打者へ爆進中。

その年のオールスターゲーム、外野を二人でランニング中に彼に聞いた。

「モチベーションが下がったことないの?」。するとイチローは私の目を見つめながら

「小久保さんは数字を残すために野球をやっているんですか?」と言った。

「僕は心の中に磨き上げたい石がある。それを野球を通して輝かしたい」自分はなんと恥ずかしい質問をしたのかと、顔が赤くなった。彼の一言で、「野球を通じて人間力を磨く」というキーワードを得た。

内発力で生きている人間の真骨頂をこのイチローの言葉に見る。

 

3、人を喜ばせてこそ

・・・・・若林克彦/ハードロック社長(絶対に緩まないネジとして、世界中から注目をあつめる「ハードロックナット」の開発者。

 

新なアイデアを生み出し、自身を突き動かすエネルギーの源

必死になると思いがけないところで閃く。

「緩み止めナットの決定版」「絶対緩まないナット」と売りにしていたが、削岩機などの大きな衝撃がかかる機械ではどうしても緩んでしまい、「責任を取れ」「罰金を支払え」というクレームがしょっちゅう入り始めた。それでどうあっても絶対に緩まないネジを新たに考えなければならなくなった。

容易に考え出せるものではなかった・・・

何とかしなければと思って必死に考えるが、なかなかいい方法が浮かばなかった。

ある時、いつもお参りしている住吉神社の鳥居を見上げたら、継ぎ目のところが離れないように要所要所に楔が打ち込んであるのがパッと目に入った。この楔の原理を応用したら緩み防止できると閃いた。

神社の鳥居なんか普段しょっちゅう見ているんだが、必死になると思いがけないところから閃きが得られるものです。その後一年くらい試行錯誤を繰り返してつくり上げたのが「ハードロックナット」でした。あの時は飛び上がるくらい嬉しかったですね。住吉神社には今も寄付をさせてもらっていますよ。

 

苦しみの世界から喜びの世界へ

優れたアイデアを生む秘訣は、「やっぱり好奇心は必要ですね。ただ根本のところで大事なのが、いいものを考えて相手を喜ばせたいという思いです。そこに欲が入ったらダメなんです」

これで儲けてやろうという魂胆で考えた商品は、決してマーケットに支持されませんね。自分は後でいいから、とにかく相手を喜ばせたい。そういう思いで取り組んでいると、利益は必ず後から回ってくるものなんです。

相手が先で、自分が後。

私はよく、たらいの水の話をするんです。たらいに張った水を自分のほうに寄せようとしたら、逆に向こうに行ってしまうでしょう。けれども向こうに押しやったら自分の方に回ってくる。これと同じで、他人に与えたら必ず自分のところへ回ってくるようになっているんです。これはどんな商売にも当てはまる基本です。ただ、そういう考えで商売ができるようになるのはなかなか至難の業だから、会社では基本理念として示している。

・心豊かな想像力を磨き、無から有を生み出し進展させる。

・アイデアの開発を通じ人と企業と産業社会の発展に貢献する。

・この社会は我が社の為の道場であり、見るもの触れるもの全て我が師である。

「内発力」を養う上で大切な心がけです。人を喜ばせたいという思いが、自分を内から突き動かす大きな力となります。

逆に、自分が儲けてやろうと思って人を苦しめたら、その苦しみは後で必ず自分が受けることになる。私はそういう利己、苦しみの世界を「レッドオーシャン」、利他、喜びの世界を「ブルーオーシャン」と呼んでいます。

言うは易しですので、そのために私は、“素直”に、“受け入れ”、“実行”するという基本を身につけて、自分に克(か)たなければダメです。何十年もやってきてだんだんそういう事が分かってきましたけど、人生も経営も、人様に喜んでいただこう、社会に貢献していこうという内から発する思いに基づくものであることが大事ですね。それがブルーオーシャンに至る道だと私は思います。

 

4、本気のオーラが選手たちを変えた

・・・・・平岡和徳/熊本県宇城市教育長・大津高等学校サッカー部総監督

 

熊本の一県立高校が48人のJリーガーを輩出していることをご存知だろうか。無名だった大津高等学校をサッカー強豪校に育てあげたのが、現在総監督で宇城市教育長を務める平岡和徳氏である。無気力だった選手たちが本気を出すことで一流選手に生まれ変わる軌跡は、内発力の重要性を教えてくれる。

 

平岡氏自身の少年時代は『あしたのジョー』に憧れ、サッカーをやっていた上級生の影響でボールを蹴り始め熱中するようになり、そこからスタートして帝京大学、筑波大学へ進み主将として全国大会で数々の好成績を残す。大学卒業後、地元・熊本で県立高校教師となり、熊本商業高等学校、大津高等学校をサッカー強豪校に育てる。

 

最初に赴任した熊本商業高校は部員13人の同好会同然。情熱も何も感じられず、まずは諦めましたが子供達の目線に立ちCan not をCanにする、その積み上げをしていくことによって変わっていきました。自分のボーナスを全部使って、本物の技を見せるために一流選手がいる筑波大学に何十時間もかけて行きました。九州の強豪チームとも練習試合をやらせてもらい、夏休みは学校の教室を借りて合宿もしました。それでも地区予選で一回戦は勝てたとしても二回戦はやっぱり勝てません。

そのチームがなぜ強くなったか!

それは選手の意識が変わったからです。新聞配達をしながら頑張っていたキャプテンが、試合中に相手のベンチに行って「空振りをした熊商の仲間を笑ったのは誰だ!一生懸命にやっているのに、なぜ笑うんだ」と抗議するのを見て、私も「こいつらのため何かしてあげなきゃ」と思うようになりました。すると、その頃から不思議と力がついて勝てるようになったんです。

ある時、県内で強豪と呼ばれるチームの選手が、試合後の挨拶で私たちに唾を吐いた事があります。まさか苦戦するとは思っていなかったのでしょう。その時も正義感の強いキャプテンが抗議しようとしたのですが、「待て。いま刀を抜いたら刀が錆びる。悔しいだろうが、ここはサッカーでお返ししようじゃないか」・・・

その悔しさをバネに奮闘し四年後には県大会優勝を成し遂げています。

 

 

大津高校へ赴任してその指導方法を生かす

大津高校サッカー部も最初は無気力な連中が多く集まっていました。ちょっと目を話すとボールの上に座っているとか、練習時間にメンバーが集まらないので教室に行ってみると女子と喋っているとか、彼らにはサッカーを強くする上で欠かせない人間力が欠けていて、ゼロからつくり上げたという点は熊商と一緒でした。

しかし大津高等学校では熊本国体も迫っていて時間がありません。スピード感、機動力を意識しながら選手たちを変えていきました。

例えば、自分たちの思いを文字化、可視化して共有し、ビジョンを明確にして組織として動かしました。そのビジョンが「年中夢(む)求(きゅう)」です。これには一日一日の24時間を自分流にデザインし、夢の実現に向かって凡事を徹底し、身体鍛え、心を磨き、人生をプロデュースできる人になるという意味を込めました。その上で「本気のオーラ」を出す事が重要であり、それがなくては始まらないことを繰り返し繰り返し伝え考えてもらいました。

そういうメソッドを少しずつくり上げて選手の意識を変えていた時、志の高い新入生が入部し、彼らが二、三年生になる時国体で2年連続準優勝を果たしたんです。

高い目標を持って日々のトレーニングを全力で励む選手は、いつも変化を求め、成長も早く、変化の先にしか進化はないので、変化を創り出す内側のエネルギー、「内発力」が大前提となるのが主体性です。やらされ感では何も行動(考動)は変わらない。

 

5、プロに欠かせない三つの言葉 「熱意」「誠意」「創意」

・・・・・井上康生/シドニーオリンピック・バーミンガム世界選手権・全日本選手権の3冠金メダリスト、リオオリンピック柔道男子監督(全7階級メダル獲得(4年前のロンドン大会金メダルゼロに終わった日本柔道を再建)

 

『プロの条件』として、仕事を成就するために欠かせないものとして「熱意」「誠意」「創意」という三つの言葉の大切さを選手に伝えてきました。

掲げた目標に対して「こんなもんでいいや」という中途半端ではなく、何が何でも達成するのだという「熱意」を示す事が大事にしています。また、周りの協力なくして本当の成功はないと思っていますので、あいてにたいしての信頼や敬意といった「誠意」も忘れてはいけません。そして、考えたり、想像したりする「創意」がなければ、掲げた目標や夢も達成できません。「創意」の源は何かというと知識力だと私は考えているので、指導者として常に学び続ける心を忘れないでいたいと強く思っています。

さらに特に大事にしてきたのは“覚悟”を持つということです。オリンピックほど生きがい、やりがいを感じられる場はありませんが、一方でその過程においては、苦しいことや辛いことの連続であり、様々な犠牲も払わなくてはなりません。

そういう中では、人間はそこまで強い存在ではないので、本当の意味で覚悟を持たなければ、どうしても挫折したり、諦めたりということになってきます。ですから、監督になった時に、選手やスタッフたちにも「覚悟を持とう」という話を一番最初にしました。

「熱意」「誠意」「創意」は全て内発力から来ているもので、選手やチームの内発力を高めるために大事なことは、「自己マネジメント能力」を持つ選手をいかに育てるかです。

日本代表に選ばれるような選手は意識の高い選手の集まりなので、いろいろな情報を与えて知識をどんどんつけさせます。それを自分自身で選択して考えオリジナルに変えていくのは選手たちに任せ、望むものを提供させ実践できるようにしてきました。選手が自分自身で考える環境をつくっていくことです。

そして、スポーツはいわば結果が全てであり、常にオリンピックや世界選手権など明確な目標を定められている世界です。

そういう世界では、やはり自分自身が意識を高く持って、自分自身の力で道を切り開いていける内発力がなければ頂点に立つことはできません。

 

 

本気でこれをやろうという強い意欲、内発力のない人には、人生を発展させていくことはできないと思っています。

 

 

 

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