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有賀泰治ブログ

『利他』 11月経営方針共有勉強テーマ

経営方針共有勉強会 11月

《 利他 》

2018年11月01日

有賀泰治

 

1、利他に生きる

・・・・・出典『到知』

 

一つの精子と一つの卵子が結合する。生命誕生の始まりである。

一回の射精で一億とも二億ともいわれる精子の群れが一つの卵子めがけ、我先に突進していく。そして一つの精子が卵子に達した瞬間核ができ、後から来る精子を一切受け付けなくなる。もし別の精子が卵子と結びついたら、自分という生命はない。一億何千万との競争に打ち勝って、私たちの生命は今ここにある。

これは厳粛かつ神秘的な事実だが、十年ほど前、見たテレビ番組がこのテーマを取り上げていて、さらに驚いた。それによると、大量の精子はすべて卵子に向かっていくのではなく、一群は途中で向きをくるりと変え、自分たちの仲間の精子が入ってくるのを阻止、撃破するのだという。仲間の選良(せんりょう)が卵子と早く結びつくのを助けるためである。

宇宙意志は原初の生命体にも他を思いやる心を植え付けているのか。この事実を知った時の驚きはやがて大きな感動になった。

 

「人」という文字は、人は人によって支えられている存在であることを示している。事実、この世に一人で生きている人は一人もいない。換言(かんげん)すれば、人は皆、利他の心によって生かされているのである。

孔子は仁(思いやりの心)を説き、釈迦の慈悲を説き、キリストは愛を説いた。ともすれば利己にそまりがちな心を是正すべく、人間存在の本質は利他にあることをその一語で端的に示したのであろう。仁。慈悲。愛。三聖人の説くところは一つである。

 

我が国にも利他に生きた人がたくさんいる。二宮尊徳もその一人である。『二宮翁夜話(やわ)』の中で、尊徳はこう言っている。

「人間の体の組み立てを見なさい。人の手はわが方に向いてわが為に便利にできているが、向こうに向けて押してやることもできるようになっている。鳥獣の手はこれに反して自分の方向へ掻(か)くことしかできないようにできている。

だから、人たる者は他のために推(お)し譲(ゆず)るという道があるのだ。それを自分のために取ることばかりに努力して、他のために譲ることを忘れてしまった者は、人にして人にあらず、禽獣(きんじゅう)と同じである。恥ずかしことではないか。ただ恥ずかしいだけではなくて、天理に反することであるから、ついには滅亡するだろう」

五歳の時に酒匂(さかわ)川(がわ)が氾濫、所有の田畑を流され、貧困のどん底から一家を再興したのみならず、六百余の貧しい村を立て直した人の言葉は、利他に生きることの大事を説いて明快そのものである。

 

最後に馴染み深い二人の先達の言葉を紹介する。

「往相(おうそう)はやがて還相(げんそう)に転ぜねばならぬ。そして還相の極は施(ほどこ)しであり奉仕である」・・・・・森信三

往相とは自分を創る道、還相とは人に役立つ道であろう。自己を創った後は人に役立つ道に生きよ、との教えである。

坂村真民(しんみん)さんはこういう詩を残している。

どんないい果実でも/熟さなければ/食べられない/

それと同じく/

どんな偉い人でも/利他の心がなければ/本物とは言えない

往相から還相に転じた人たちの言葉を範に、私たちも天理にかなった生き方をめざしたい。

 

2、利他の心こそ繁栄への道

・・・・・稲盛和夫

 

日本を代表する経営者として、その名を知らない人はいまい。京セラやKDDIを創業し、それぞれ1,5兆円、4,5兆円を超える大企業に育て上げ、倒産したJALの会長に就任すると、わずか二年8ヶ月で再上場へと導いた。功績はそれだけにとどまらない。中小企業経営者の勉強会「盛和塾」の塾長を務め、一万二千人以上の経営者から師と仰がれている他、日本発の国際賞「京都賞」を創設し、人類社会に多大な貢献をもたらした人物の顕彰を続けている。稲盛氏の多岐にわたる活動に通底しているもの。それは「利他の心」である。“ 新・経営の神様 ” が語る・・・・・

 

「京都賞を設立した、その根底には利他の心といいますか、思いやりの心といいますか、皆に善かれしという気持ちがあるんです。

利他の心が根底に。

かねてより、“ 人のため世のために尽くすことが、人間としての最高の行為である ” というのが私の人生観でありまして、今日まで私を育んでくれた社会のためにご恩返しをしたい。

また、その頃は、人知れず努力を払い、人類の科学・文化・精神的深化の面で著しく貢献した人を顕彰する賞がなかった。そのような方々を讃えることで、人類社会の発展に少しでも貢献したい。そんな思いから始めました。

 

京都賞受賞者の共通点

「京都賞を受賞される資格者は、謙虚にして人一倍の努力を払い、道を極める努力をし、己を知り、そのために偉大なものに対し敬虔(けいけん)なる心を持ち合わせる人でなければいけません」という一文がありますが、全世界の優秀な人を緻密に調査し、この理念に照らしながら選考した結果、ノーベル賞にも繋がったと思います。

受賞者に共通する点は!

皆さん一様におっしゃるのは、画期的な発明や発見に至るプロセスにおいて、人知れず努力を重ねているさなか、あるいはふと休息をとっている時や寝ている夢の中で、まるで神様の啓示の如く、創造的な閃きを与えられる瞬間があるということです。

ひたむきに自分の専門分野の研究に打ち込んでおられる方というのは、時と場合によっては、暗中模索だったり、行く先に迷われたりするかもしれません。しかし、京都賞を受賞される皆さんはそういうことがあっても、まっしぐらに進んでおられる。一所懸命研究をやっておられる。

“ この宇宙には知恵の蔵、真理の蔵というものがあって、純粋な情熱を傾けて一心不乱に取り組むその真摯な努力に対して、神様は知恵の蔵を開き、一筋の光明が差すように、困難や障害を克服するヒントを授けてくれるのではないかと思います”

 

私自身も技術者として、経営者として、長く物作りに携わってきましたが、偉大な存在を実感し、敬虔(けいけん)な思いを新たにすることが少なくありませんでした。

必死になって研究に打ち込む中で、自分でも気がつかないうちに知恵の蔵に蓄えられた叡智の一端に触れ、画期的な新材料や新製品の開発に成功し、事業を発展させ、充実した人生を歩んでこられたと実感しています。

 

追記

就職先を探したものの、書類選考で外れるとか面接で落とされるとか、大企業は全部採用してくれませんでした。そういう中で拾ってくれる京都の松風工業という碍子(がいし)を製造する会社に入りました。

しかし、そこも決して華やかな会社ではなく、毎月のように給与は一週間遅配する、今にも潰れそうな赤字会社でした。ですから、最初は嫌いな会社だと思っていましたし、セラミックに関しても門外漢で素地があったわけでもありません。けれでも、自分は素晴らしい会社で素晴らしい仕事をしているんだと、無理にも思うようにし、わき目も振らず必死に研究を邁進したことで、仕事を好きになり、会社を好きになっていきました。

『仕事を好きになったこと、会社を好きになったこと、そのことによって今日の自分がある』

 

『心に描いたものは必ず具体化していく。よりよい人生を生きていくためには、心を綺麗にして善きことを思い描いていくことが非常に大事だと思っています。』

 

『人は得てして、恵まれた環境にあっても、与えられた仕事をつまらないと感じ、不平不満を口にしがちです。しかし、それで運命が好転するはずはありません。与えられた仕事を天職と思い、その仕事を好きになるよう努力していくうちに不平不満は消え、仕事も順調に進むようになっていく』

 

『“ 同機善なりや、私心なかかりしか ” 利害損得でもって考えるのではなく、人間として何が正しいか、その正しい道を追求する』

 

『全生命をかける努力、世界中の誰にも負けない努力をしていれば、必ず時間と共に大発展を遂げて行くものと信じて歌いません』

 

『“ 他に善かれし” と願う邪心のない美しい思いにこそ、周囲はもとより神様も味方し、成功へと導かれるのです』

 

3、利他に生きるは人の本能

・・・・・鈴木秀子/聖心会シスター・文学博士・ゲシュタルト セラピスト

 

私もこれまで、どうしてこんなことが人生に起きるのだろう、と思うような出来事に直面した人たちに数多く接してきました。例えば、「頑張れ、頑張れ」と叱咤(しった)激励(げきれい)していた我が子が、ストレスによって突然自殺してしまった、というような変えることのできない現実を受け入れていくわけですね。

受け入れられるまでの間、自分を徹底的に責めたり、あるいは周りを責めたりして散々悩み続け、しかし、最後には「世間的な損得や見栄ばかりを気にしていた私に、娘は命を懸けてもっと大切なことを教えてくれた」と気づいて、心が大きく変わっていくんですね。そういう方は「自分の辛い体験がもし役に立つとすれば、誰かに話しても構いません」とおっしゃるのです。「利他」とはそういうことではないかと思います。

まさに小さな自分というものを捨てて、誰かのために役に立つ生き方ですね。

人生で起きる辛い出来事や、自分の弱さを私たちは引き受けながら生きていかなくてはいけません。しかし、神様は人間がどんな状況に置かれた時も限りない愛を降り注いでくださっていると信じて自分自身を愛するとともに、縁あった人たちとよい関係を築いていく。生きていく上で大切なのは、そのことではないでしょうか。

私は、誰かのために生きたいという思いは人間の本能だと思うんです。駅のホームから転落した人がいたら誰だって助けずにはいられない、利他ということを特別に考えることはなくても、苦しんでいる人たちが一番いい方向に導かれるように祈り、エネルギーを送り続ける。これからもそのような人生を全うしたいと思っています。

 

4、人々の命に寄り添続けて

・・・・・皆藤 章/臨床心理士

 

臨床心理士でハーバード大学客員教授。人の命に四十年間、静かに寄り添い続けてきた。日々命と向き合う中で見えてきた世界について語る。

「利他に生きる」ですが、臨床心理学の世界では利他という言葉は使わないんですね。利他を辞書で引いてみると、「自分を犠牲にしても他人の利益を図る」などと書かれています。このテーマを考え、これまでの人生を振り返って、いろいろなことを考えました。自分は人のために何かをしたことがあるだろうか、それは結局自分のためではなかっただろうかと・・・・・

 

臨床心理学の領域には利他という言葉が用いられないという話をしましたが、それはこの学問が西洋の合理主義や個人主義の中から生まれたためで、実際に様々な軋(きし)みを生じています。しかし、私は苦しんでいる人の命に寄り添い、人生を好転させていくプロセスをともに体験させていただけることは利他に通じるものがあると思っているんです。

私がお会いするのは歴史に名を残すような人物ではなく、ごく素朴に生きてきた人ばかりです。しかし、その全ての人に学ぶべきところがたくさんあります。私自身、精いっぱい命がけで生きることで、それが誰かのよき人生に繋がっているとしたら本望ですね。

 

5、私心を捨てる。

私心を捨ててものを考えることが大事である・・・・・松下幸之助

 

明治の新政府が発足した時、最高指導層である参議には、薩長はじめ拡販の岩場実力者がなっていた。それだけに、時として意見が対立して、ものごとが円滑に進まないきらいがあった。

それを見た西郷隆盛は、「多頭政治ではラチがあかない。一つこの際輝度さん一人に参議になってもらって、あとはみなその下についてやろうではないか」と提案した。他の人も賛成したが、肝心の木戸孝允が、「西郷さんと二人ならいいが、一人では絶対にやらない」といいはったので、みんなも隆盛を説いて、結局二人が参議となり、いわゆる廃藩置県などの大きな懸案を力を合わせて解決したのである。

西郷隆盛は、これに先立つ彰義隊の戦いの時も、薩長が反目しがちだったのを、「この戦いは長州の大村益次郎さんに指揮をとってもらいましょう」と、進んでその指揮下に入って、官軍の一体化を生み出している。

維新の志士といわれる人々は、一身もかえりみず、いわば私心を捨てて国のために尽くした人が多いが、その中でも西郷隆盛はとびぬけて私心というものがなかったひとのようである。もともと西郷隆盛は、会う人が誰でもがひきつけられるような偉大な人格者だったといわれており、したがって自分が大将になっても不思議はない人だと思う。」それが、あえて自分は下につくのだというのだから、みんなもそれに従わざるを得ない。それで事がスムーズに運ぶ。明治維新は、見方によると西郷隆盛を中心に進んでいったともいわれているが、それは大きな人柄と私心のなさがそうせしめたのだともいえよう。

人間だれしも自分が大事であり、かわいいものである。そのことはごく自然な感情ではあるが、しかしそうした自分の感情とか利害にとらわれてしまうと、判断尾あやまることもあるし、また力強い信念も湧いてこない。こうした自分というものを捨て去って、何が正しいかを考え、なすべき事をなしていくところに、力強い信念なり勇気が沸き起こってくるといえよう。

だから、私心を捨てるということは、誰にでも必要ではある。西郷さんには遠く及ばないとしても、自分の事を考えるのは四部、あとの六部は他人のこと、全体の事を考えるようでなければいけないと思う。

 

 

6、今月の言葉

天や運を見方につける

懸命な努力、自分や仲間を信じる心、そして絶対にやり遂げるという強い志という三つがあれば、必ず天や運は見方をしてくれる

・・・・・村上和雄(筑波大学名誉教授)
幸福の根源

人間が生きることの本質、幸福の根源、生きがいというのは、 誰かから期待される、頼りにされることだと思います

・・・・・柴田 高(大幸薬品社長)
皆のおかげ

「皆のおかげ」と心から思って行動すれば、人は喜んで集まってくる

・・・・・ジョージ・アリヨシ(アメリカ合衆国ハワイ州元州知事)

 

利他の心

私心がないということがリーダーにとって一番重要

・・・・・山田和昭(津エアポートライン シニアエキスパート/若桜鉄道前社長)
崇高な喜び

人のためになる喜びほど崇高な喜びはない

・・・・・谷川洋(アジア教育友好協会理事長)

 

美しいもの

美しいものを見たいと思ったら人を喜ばせたらいい

・・・・・鍵山秀三郎(日本を美しくする会相談役)
人のお役に立つ

柔道を学ぶことは、ただ勝って結果を出すことではなく、 人のお役に立つことを学ぶことである

・・・・・古賀稔彦(柔道家)
与える

小さなことでも、与える習慣をつけること

・・・・・曽野綾子(作家)

 

他を利する

己を忘れて他を利する

・・・・・伝教大師最澄(天台宗宗祖)

 

慈悲の極み

自分の利益は抑えてでも、 他人のために思いを致す。 これが慈悲の極み

・・・・・堀澤祖門(三千院門跡門主)
花と実

花になろう/実になろう/喜ばれる/人間になろう

・・・・・坂村真民(仏教詩人)
人の喜び=自分の喜び

人の喜びを自分の喜びとして感じるとき、よい遺伝子がオンになっている

・・・・・村上和雄(筑波大学名誉教授/遺伝子工学の第一人者)
損得を超える

人間の真の価値は損得を超えたところにある。「個」の枠を乗り越えたところにこそ、本当の生きる喜びがあると、私は信じる

・・・・・野村克也(野球評論家)

 

世のため人のため

 

仕事を通じて人は成長し、成長した人は仕事を通じて、まず“世のため人のため”に報いていく。金は二の次だ。それが人生であり、この世に生まれてくる第一の意味である

・・・・・野村克也(野球評論家)

 

徳を積む

報いを求めずに積み上げていくものこそが、本当の徳に繋がる

・・・・・伊與田覺(論語普及会学監/100歳)

 

偉大な人

自分のためだけに生きて、偉大なことを成し遂げた人は一人もいない

・・・・・平光雄(社会教育家)

 

人のために

人間は自分のためだけに働いていると行き詰まる

・・・・・引頭麻美(大和総研常務執行役員)

 

博愛の心

己を愛するが如く他人を愛し、思いやりに満ちた優しさと博愛の心を持って人に接する

・・・・・稲盛和夫(京セラ名誉会長)

 

人に喜び

人に喜んでもらえる何かをすることで、自分もまた助けられていく

・・・・・鈴木秀子(文学博士/シスター)

 

人のために

人のために何かをすることが一つの幸せに繋がる

・・・・・有田秀穂(東邦大学医学部教授/脳内神経セロトニン研究の権威)

 

損得

こちらが損得勘定で動けば、必ず人は離れていく

・・・・・重吉勉(日本財託グループ社長)

 

 

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